ES、ティール組織・ホラクラシー、行き詰まり

人間性尊重経営のもと、成果主義の人事制度に取り組みましたが、従業員からの反発を受け、人事制度は従業員のためのサービスであると気づきました。

その後、グリーンやティールの考え方を活用しましたが上手くいかず、「物事が決まらない」「従業員を優先するあまり、経営者自身がはたらくことを楽しめない」等の問題に直面しました。

そこで、「産業の始まりは農業であり、はたらくの原点が農にあるのではないか?」と探究するべく、自社で慣行農業を始めました。

循環畑との出会いと、間を通して繋がっていく創発!

Natural Organizations Lab 株式会社の吉原史郎さん・優子さんのご縁を通して、藤沢循環畑を訪れる機会があり、真冬の畑に野菜も雑草も区別なく緑が生い茂る様子を見たとき、「個々のいのちの声を聴くこと、それこそが人間性尊重経営である」と体感しました。

従来のCSRや出島活動では”こうあるべき”という枠に捉われ、その当時関わる面々が疲弊していました。

循環畑を通じて、そこから3年間の活動を大きく変容させ、個人の生き方と会社のあり方の境目がライフの場で一つになっていき、畑や出島活動が会社と個人の間を繋いでいく中で、2023年2月 令和4年度青少年の体験活動推進企業表彰で文部科学大臣賞を受賞しました。様々な人・地域・自然が関わり合い、個々が当事者意識を持って取り組む姿勢を評価いただきました。

ライフ(人生)から生まれるソース・プリンシプルとは? &実務とのつながり

2023年4月に、提唱者のピーター・カーニックの初来日イベントを吉原史郎さん・優子さん含めた仲間達(JUNKANだいこん)と開催させて頂いた際に、「ビジネスに愛を」というピーターの言葉に感銘を受けました。また、ソース・プリンシプルを通して「誰もが愛してやまないことを生きていける」という言葉にも衝撃を受けました。多様性と言いながら分断と無関心がはびこる現代社会において、「ライフから生まれるソース・プリンシプル」が違いを乗り越え共鳴へと導き、誰もが創造性を発揮する社会へ繋がっていくのではないかと思っています。

経営をライフという視点から見たとき、個々のライフを通して、様々なものが創発・創造されてきたことを実感しました。例えば、活動というライフの場から弊社との縁ができ、入社したメンバーや、農や食、アートの活動を通じて、ここで働きたいというメンバーが出てきています。
また、これまでの仕事や様々な活動に関して全てを自分たちでやろうとし、疲弊していたことから、それぞれのエネルギーの色を大切にし、地域で活躍している人を主役にしたり、自分たちにはない色をもっている人に力を借りたり貸したりする中で、無理なく彩り豊かな場が生まれるようになってきました。

皆さまへのメッセージ

「従業員は会社にお金を稼ぐために存在するもの」とみなし、ルールやデータで監視する対象=モノ化するような場では、社員一人ひとりのいのちの輝きが消えてしまいます。そのような安心・安全のない場では、自分を他者と比べることや、周りからの評価によって行動してしまい、本来自分の中にある「愛してやまないことを生きている」というパワーに繋げることができなくなってしまうのです。

そこで、経営をお金の繋がりだけでなく常にライフとの繋がりを感じながら、実践・表現することを通して、個性が花開き、信頼できる場へと会社が変容していく。そしてその先には社会そのものが創造的な社会へと移り変わっていくことへと貢献していけたらと思います。吉原史郎さん・優子さん達と共に長く親交を深めさせて頂いているピーターが、来日の際に特別に伝えてくれた「ライフから生まれるソース・プリンシプル」の動画メッセージ、多くの方の探究のお供にしてもらえたらと思います。

by だいちゃん